tabi-ki47

全国47都道府県旅日記-呑んで,喰うのみ

旅をする。赴くままに旅をして,通りがかった暖簾をくぐり,カウンター席で酒を呑む。

・これまでの旅の一覧はこちら(2019.10.6更新 台風近づく東京銀座。甘いギムレットに懐かしさを憶える(3) 2019年9月21日(土)-22日(日) tabi-ki47:カテゴリ「東京」)

旅の一覧 - tabi-ki47

 

なにはともあれ,旅が好き。

一人,もしくは家族や気の合う仲間と少人数であちこち巡るのが好き。

 

非日常感を楽しむ行為が旅だというが,まさにそれである。

見知らぬ土地の酒場を訪れるのも,旅の目的の一つだ。

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京都鴨川沿いの古民家宿にて

 

トラブルすらも旅にはつきもの。

それを楽しむのも旅の醍醐味。

どんなに緻密な計画・準備も,道中のトラブルの前には無力。

状況を楽しむ余裕がなければ,旅などできない。

 

楽しかった旅を振り返る。

振り返って,ひとりにやにや悦に入る。

 

そんなブログ。

 

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大阪道頓堀にて

 

台風近づく東京銀座。甘いギムレットに懐かしさを憶える(3) 2019年9月21日(土)-22日(日)

東京3日目の朝。

ホテルは11時チェックアウトとなっていたので,家族3人ゆっくりの起床としていた。

ワタクシは7時過ぎに蒸し暑さで目覚め,エアコンの温度設定を28度から26度にした。

 

シャワーを浴びていると妻とムスメも起き出したので,ムスメと近くのコンビニへ朝食を買いに出た。

天気は曇りで,風は涼しく,ホテルの室内よりよっぽど気持ち良かった。

 

ワタクシは軽めにインスタントスープだけ飲んで,すぐに散歩に出かけた。

のんびり東京駅まで歩き,構内にある「にしむら日和」という明石焼きの店の暖簾をくぐった。

 

こちらは東京駅の中でも珍しく,朝の8時から飲酒できる店であり,使い勝手の良さもあって何度か訪れている。

歩いてきたら喉が渇いたので,生ビールを注文し,明石焼き葱なしを注文する。

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出来立てアツアツ

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出汁にとぷん

焼きたての明石焼きを熱々の出汁へ落とし,半分に割って出汁と一緒に食べる。

ほんのり卵の甘みが口に広がり,そこに出汁の風味が溢れ,なかなかにイケる。

本場の明石焼きは食べたことがないが,こういうものだと思って食べれば美味しいものだ。

 

が,懐にはちと優しくない。

生ビールと明石焼き,そしてお通しがついて2,000円ぐらいする。

軽く小腹を満たすには,少々高くついてしまう。まあ,ここは東京であり,盛岡でもないし,いつも旅する地方都市でもないのである。

 

午前11時にチェックアウトし,その足でお台場へ。

ムスメがジョイポリスで遊んでみたいというので付き合うことに。

 

昼食はデックスに入っている「bills」としたかったが甘かった。

11時半ぐらいに到着すると長蛇の列。旅に出る前は予約しておこうかとも思ったのだが,「まあ,なんとかなるっしょ」と思っていたら,まったくなんともならなかった。

 

仕方なく,同じデックスないにあるレストランに入り,海を望めるデッキ席で生ビールを呑みつつオムライスやハンバーグやサラダをつつく。

場所柄もあって人が来るからいいんだろうけど,サービスも味も設えもぼちぼちで,胸踊る時間とはならなかった。

 

 

で,しばしジョイポリスで遊んで(台風が近づいていて雨を避けられるアトラクションを求めた人々が目指してきたのだろうか,ものすごく混んでいた),夕方になって東京駅へ向かう。

帰りの新幹線が19時少し前だったので,東京駅付近で夕食をとることとしていた。

 

夕食は,東京駅丸の内北口の目の前にある「KITTE丸の内」に入っている「宮崎料理 万作」。

その名のとおり,宮崎の郷土料理を供してくれる店らしく,妻とムスメもきちんと宮崎料理を食べたことがないということだったので,ここに決めていた。

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宮崎料理 万作へ

こちらの「万作」は,創業80年になるといい,豚タン焼きと湯豆腐が名物の店だと宮崎の友・けんじさんから教えてもらった。

加えて,ハウス焼酎は大堂津の古澤醸造合名会社の「八重桜」とのことで,蔵にお邪魔したことがある身としては,ぜひとも「八重桜」も呑まねばと思った。

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ぶどうカンパチ

まずはぶどうカンパチの胡麻漬けを注文。このカンパチは,宮崎は五ヶ瀬町で,ワイナリーと漁業者が連携して生み出したブランドカンパチで,養殖カンパチの餌にぶどうの乾燥粉末を混ぜて与えているという。

ワインの製造過程では,必ずぶどうの搾りかすが出るから,これは良いアイディアだ。

日本酒やビールの製造過程で出た搾りかすを牛や豚の飼料に混ぜるのは聞いたことがあるが,養殖魚では初めてだ。

 

で,こちらの一品もさっぱりとした脂に胡麻の風味があいまってとても美味しい。

酒はやはり宮崎諸塚の川崎醸造所の銘酒「園の露」の湯割りを。

3,4年前に蔵を訪ねたことがあり,だいぶお世話になったが,残念なことにご当主の川崎一志さんは今年1月に逝去された。丁寧に丁寧に美味い焼酎を造り続けてこられただけに,本当に無念でならない。

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ふっくら味がしみている

綾町野菜と霧島鷄の旨煮もとても美味しい。野菜だけの水分で炊き上げたとのことで,旨味がとても濃い。

こういうどこにでもあるが,どこか地域性のある郷土料理は嬉しい。具の中に硬めの麩が入っているのが珍しかった。

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串焼きもしっかり大ぶり

霧島鶏レバーは迫力ある肝が4つ5つ連なっており,食感,舌触り,風味とも一級品。

焼酎は,大堂津古澤醸造の「八重桜」の湯割りとし,ふっくら漂う甘い香りを合わせる。

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肉巻きたまご

よかもよか卵とぶどう豚の肉巻き玉子も贅沢な酒肴。

よかもよか卵は都城のブランド卵,ぶどう豚は綾町のブランド豚でぶどうカンパチ同様にぶどうの搾りかすが飼料に混ぜられているという。

いやはや,宮崎は食材王国である。感服した。

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焼酎湯割りがすすんで仕方ない

湯割りがすすんで仕方ないところへ,ウルメイワシ丸干しを注文し,都城の柳田酒造の「青鹿毛」の湯割り。こちらもけんじさんに案内してもらった蔵だ。

パンチのある麦,やっぱりとても美味いし,とても好きだ。麦では一番だな。

 

ウルメイワシはまるまる太っていて,脂が乗っていて実に美味しい。

日向灘に面する宮崎は,お隣大分と並んで魚介の食材が豊富で,われわれも三陸の海の幸に日々触れられるとは言え,とても羨ましい。

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締めに冷や汁

締めは冷や汁をいただく。これがなくては宮崎料理を堪能したことにはならない。

さっぱり涼しげなこの郷土料理は,九州でも宮崎にしかない料理ではなかろうかと思っていたが,調べてみると山形や埼玉でも類似する料理は存在するという。知らなかった。

 

なにはともあれ,冷や汁を家族三人で分けあって,温かいお茶をいただいて会計をした。

 

 ◇

 

 このあと,帰りの新幹線に乗り込み,缶ビール一本を呑みながらiPadで映画を観つつ盛岡へ戻る。21時半ぐらいに到着すると,盛岡の駅のホームは肌寒く,完全に秋のそれであった。

 

<おわり>

台風近づく東京銀座。甘いギムレットに懐かしさを憶える(2) 2019年9月21日(土)-22日(日)

それにしても東京は蒸し暑い。

東京に発つ前の盛岡の朝は9月とは思えないほどの涼しさだったので,着替えは半袖を一枚減らし,長袖を一枚増やしたが,実際,長袖はいらないほどだった。

 

気温は25度ぐらいなのだろうが,なにしろじめじめする。

空気が乾いた東北と違い,台風も近いこともあろうが,じわじわと湿気が体に堪える。

 

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夕闇の銀座

銀座にあるホテルにチェックインし,シャワーを浴びたのち,ホテルからほど近いところにある「金の独楽」という居酒屋へ。

台風が来て,暴風雨の中を食事しに外出するのなら近場が良いなと思って予約した店。

こちらはいわゆる一軒家レストランで,一階は「銀ZERO」,二階が「金の独楽」という系列店が入っているようだ。

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野菜ソムリエセレクトの生野菜

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生シラス

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限定のカマ焼き

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ほくほくポテト

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メニュー

さて,こちらの「金の独楽」は,野菜メニューが充実していると公式サイトで見ていたとおり,野菜ソムリエ荻山さんセレクトの生野菜盛り合わせをはじめ,三種のポテトフライ,カモと無花果のサラダ等の野菜が美味しかった。

 

個人的には,野菜を使った料理はもっと清酒に合うぬか漬けとか煮浸しとかが良いのだが,家族で来ると,サラダなどの生野菜類は多くなる。まあ,ドレッシング類に工夫が凝らされているから,酒に合わないわけでもないのだが。

 

鮮魚系はというと,鯵なめろう,生シラス,数量限定カンパチのカマ焼きと無難なところを注文したが,どれも鮮度が良くて満足の味わい。

ムスメなどは,カンパチのカマ焼きが大いに気に入ったらしく,最後の最後まで骨と皮の間をつついて身をほじくっていた。

 

酒は,プレミアムモルツでスタートし,「大信州」の秋あがりから「勝駒」とあまり盛岡でお目にかかれないものを一合ずつ。

日本酒にも力を入れているらしく,少々一合の値は張るが品揃えは中々のもの。日本酒を目当てに足繁く通っている常連客も多いように見受けられた。

 

しかし一方で,これは店の責任ではないのだろうが,間仕切りはあって半個室風の客席なのだが,少し声が大きくなると店内に会話がダダ漏れとなり,特にもこの日はセンシティブな会話を大声でしている男性二人客がいたものだから,われわれ家族にも気まずい空気が流れてしまったりした。

 

銀座という大人のまちということと,小さな閉鎖空間での飲食ということを考慮すれば,もう少し綺麗に呑めないものかねと余計なことを思ったりもした。

 

とは言え,妻とムスメにはこちらの店は大好評で,何はともあれ心配していた雨も降らないので,大事な夜の食事を無事に終えることができた。

 

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親切な品書き

「金の独楽」を後にし,妻とムスメと別れた後,少し歩いてバーを探す。

と,「BAR オーパ」という看板が目に入る。聞いたことのある,銀座の有名店。

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地下へと続く

重厚な階段を地下へ降る。馴染みのない土地のバーは,店に入るまで少々緊張するが,それが銀座,さらに地下となると余計に緊張する。

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はじまりはジントニ

しかしまあ,足を踏み入れてみるとなんとも居心地の良いバー。

これぞ銀座のオーセンティックバー,と品格高い納得の雰囲気だが,やはり良いバーは良いバーで,居心地の良さも演出している。

 

銀座のバーといえば「テンダー」しか行ったことがないが,これからは「オーパ」も安心して訪れることができる感じた。

客あしらい,所作,カクテルの味わいとどこを取っても一級品。

 

ジントニックからスタートし,ギムレット,オールドパル,グラスホッパーと呑んで5,000円強という驚きの会計。

盛岡はじめ地方都市からしたら安くはないが,それでも銀座のバーでこの価格帯なら驚くほど手頃。

満足してホテルへ戻った。

 

<next>

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台風近づく東京銀座。甘いギムレットに懐かしさを憶える(1) 2019年9月21日(土)-22日(日)

9月,久々に家族3人で東京へ旅行をすることとなった。

妻,中学生のムスメ,そしてワタクシの3人である。

家族サービスというやつであろうか。

 

家族で旅行する機会は比較的多いと思う。海外とかはないけれど,東京首都圏を中心に,東北各県,静岡,京都・大阪・和歌山といったあたりは,ムスメが小さい頃から旅行していた。

 

当然ムスメは,「覚えていない」ということの方が多いわけだが,旅行となると嬉しそうに付いてくる。

最近は携帯アプリとgoogleを使って上手に旅の行程を作ってくれるから,こちらとしては非常に助かっている。

家族で行き先を決めると,ワタクシが宿と食事する店を予約し,妻が新幹線を確保し,ムスメが旅程を整理するという役割分担だ。

 

東京は本当によく来ているが,今回は銀座に宿をとることとした。

特に目的はない旅であったが,東京の中心も中心である銀座界隈の雰囲気を味わいつつ,軽く観光をして旨いものでも喰おうということにしていた。

 

台風が近づいているようだったので,今回は屋内中心のプランとしていた。

 

まずは中野を目指し,駅からすぐ目の前の「中野サンモール商店街」で昼食。

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商店街の裏路地もまた良い

 近くの吉祥寺のハーモニカ横丁も良いが,中野の駅前商店街も良い。

ごちゃごちゃと人手ごった返すメインの通り,そして飲食店がひしめく裏路地に,ムスメも大喜びだ。このへん,うちのムスメは少し変わっていると思うが。

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生で「くはーーー」

まずは目に入った「たいよう食堂」という沖縄料理の店でオリオンの生。

台風がやってくる前の,独特の湿った空気の暑さの中で呑むオリオンの旨いことよ。喉越しが良過ぎて,生を注文しなかった妻に,「うん,おいしい,ごくごく」と半分ぐらい呑まれてしまう。

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ソーキそば

ソーキそばは極めてスタンダードな味わい。すっきりとした中にしっかりとしたコクのあるスープに,初めてソーキそばを食べるムスメも,美味しい美味しいと麺をすする。

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中野ブロードウェイ

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中野にはまだ昭和が残っていた

昼食を終え,少し歩いて「中野ブロードウェイ」へ。1966年開業のこちらの商業ビルは,wikipediaで調べるところ,非常に興味深い紆余曲折の中で今に至るとわかる。

 

サブカルの聖地ではあるが,食堂・喫茶・美容室といった,いわゆる水商売系の趣の深さもまた文化地層として価値があると感じられた。

老朽化しても非常に貴重な建物であることは当然のことながら,いつしか再開発の波も来て,中野全体で議論しなければならないことになるのだろうなあと思いつつ,数時間を過ごさせてもらう。

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村上隆氏の事務所という

こういうのも,サブカルの聖地ならではの面白さ,愉しさ。絶対また来よう。

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30数年ぶりの東京タワー

その後,東京タワー。ムスメが見てみたいというので。

増上寺と東京タワー,なかなかに豪華なマッチング。

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ハイボールがいいっすね

で,ハイボールガーデンがあったので,休憩。

いやはや,家族旅行だと飲酒以外にもやることが多くて大変だ(笑)

 

tabi-ki.hatenablog.com

猛暑北国・横手で呑む。酒場レベルが高く,またまた横手が好きになった夜。 2019年8月10日(土)-11日(日)

朝,寝苦しさで目覚めると雨だった。

午前6時少し前の空はだいぶ暗く,窓から流れ込む風はひんやりしており,前日までほぼほぼ猛暑日のような暑さが一週間くらい続いていたので,その風はとても心地よく感じられた。

 

猛暑の最中,横手へ遊びに行くことにしていた。

横手には今年3月に足を運んでいるから,5ヶ月ぶりということになる。

https://tabi-ki.hatenablog.com/entry/2019/03/17/151342

 

横手は岩手と西和賀町で接する秋田県境にあり,人口は87,000人弱の秋田県内では秋田市に次ぐ人口を誇る地方都市だ。

 

盛岡同様に横手もさぞ暑かろうと思い天候をチェックすると,大雨による災害警戒レベルが相当高いということがわかった。

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横手の大雨情報

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横手の災害発生レベル

これはやばいな,とは思ったものの,とりあえず様子を見ながら移動しようと考えて,とりあえずシャワーを浴びて荷造りをした。

で,9時半過ぎに自宅を後にし,東北自動車道を南下。

 

すると,花巻を越えたあたりから大粒の雨が落ち始め,それが段々と強まって,まさに「災害級の豪雨」とも思えるような雨となった。

ワイパーは全力全開であるが,雨の量がすご過ぎて,何度も視界が失われそうになる。

2年前の九州で,大型の台風と遭遇した時のような悪天候だった。

 

北上ジャンクションから西へと向かう秋田道に入っても,大雨は続く。

どの自動車も,タイヤが水溜りにとられ,水しぶきを上げながら走るものだから対面走行はそのしぶきを浴びながらのものになり,その度にどきりとする。

 

が,横手に近づくほどに雨脚は弱まり,しまいには止んで青空が見えてきた。

やれやれと胸をなでおろし,横手市の南隣にある湯沢市まで移動して「佐藤養助 総本店」を目指した。

 

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創業150周年のおりに総本店は建てられた

11時半ぐらいに到着すると,席は8割がた埋まっており,先客はのんびりと美味そうにうどんをすすっている。

ワタクシは,かけうどんと比内地鶏がセットになった「比内地鶏ご飯セット(1100円)」をいただく。

 

総本店は初めてではあるが,隣県秋田の名物である稲庭うどんは何度も食べたことがあって,比内地鶏ご飯とのセットにしてみたのだが,このご飯が限定品ということもあろうか,なかなかの一品。

鶏メシ系の話で言うと,だいぶ前にシンガポールにて現地友人に連れて行かれた,観光客が足を運ばないようなディープな店で食した海南チキンライスを食べたとき以来の満足感。

単品メニューをみるとご飯茶碗ぐらいのヴォリュームで440円とかなので,まあちょっと高いかなぐらいではあるが,比内地鶏の旨味が凝縮していてとても美味しかった。

 

うどんはと言うと,予想していたとおりの美味しさで,「うむうむ,これこれ,慣れ親しんだ佐藤養助ブランドだね」という安心・安定感。

流石の品格と喉越しと熟成感。いわゆる関西のうどんとは異なるが,間違いなく美味しい。

どうでもいいのだが,数年前に中洲川端で食べた「かろのうろん」も美味かったなと,店を出た後に思い出した(笑)

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ハガレンはやっぱいい

今年5月にリニューアルオープンした,「横手市増田まんが美術館」へ足を運ぶ。

国民的アニメ

manga-museum.com

が開催されていると言うので。

 

 

原作は未読,アニメは「Hulu」で観ていたので,思い返しながら展示を眺めると徐々に記憶が蘇ってくる。

ジャンルはダークファンタジーなのだが,非常にヒューマンな場面が多い作品であり,この日も原画を観ながら,ところどころ胸にぐっとくる。

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真ん中のマスタング大佐が好き

そう,ご当地出身の漫画家といえば,あの矢口高雄先生であり,「釣りキチ三平」などはアニメでも漫画でも幼い頃から繰り返し繰り返し観て読んできた。当然,この美術館の創設・運営にも矢口先生が関わっている。

 

そういえば,「明日はきっといい日になる」のシンガーソングライター高橋優も横手市出身である。

ううむ,横手,恐るべき人材の宝庫,と思いつつwikipediaでさらに調べると,「編集王」「ありゃ馬こりゃ馬」の漫画家・土田世紀,女優の壇蜜なども横手出身。

 

時代をずっと遡れば,1000年ぐらい前の平安の時代に陸奥の安倍一族を前九年の役で源氏と結託して破った清原氏などもこのあたりの豪族だった。

まあ,清原氏はその後,いろいろあって後の平泉を京都以上のにぎわいとした奥州藤原氏の開祖・藤原清衡安倍氏とともに源氏と戦った藤原経清の子であるが清原家で育っている)と源義家によって滅ぼされることとなったのだが。このへんの歴史,ほんと複雑でドラマティック。

 

なお,安倍一族の末裔で総理を経験しているのは,盛岡市出身の米内光政(第二次大戦終結に尽力した政治家),現時点の首相である安倍晋三の2人と言われている。

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ばくろうちょう,と読むらしい

この日の宿は,もはや定宿化しているプラザグループの「ホテルプラザアネックス横手」であり,温度47度,毎分720リットル自噴の天然温泉で汗を流してから横手一番の繁華街中央町を目指す。

日中はやはり気温がぐんぐん上がり,午前中は災害レベルの大雨が降っていたなどと思えない猛暑となった。

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料理一品目

予約しておいた「粋場」は,オープンして4,5年らしいが,すでに横手ではなかなか予約が取れない店となっているらしかった。

料理3品,おでん6品のセット2,000円を注文し,酒は地元の「天の戸 Land of Water 純吟 生」をいただく。天の戸の夏酒。

しかし,去る7月30日に天の戸を醸す浅舞酒造の森谷杜氏が急逝されたと聞いたときは本当に驚いたし,本当に残念だと思った。

美味し酒で,森谷杜氏献杯した。

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でん六品盛り

おでんの出汁は非常に上品で,昆布の旨味が効いてタネを食べるペースよりも出汁をすするペースが上がる。

猛暑続きだったからだろうかエアコンがフル稼働していて,その風がワタクシに直撃したこともあり,温かいおでんがありがたかった。

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料理二品目

秋刀魚のオイル漬けをトマトソースで煮たもの。

秋刀魚の脂をトマトの酸味が流してくれて,そこにチーズのコクがまじわりシンプルだが複雑な味わいの品。

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燗酒が旨い

酒は同じく浅舞酒造の「天の戸 まる燗 きもと」を熱燗で。

エアコンの冷風で,やはり少し肌寒いので,外は猛暑であるが熱燗が旨い。

とろりと甘みが出るこの酒が,すいすいと進む。

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料理3品目

最後の料理はローストポーク。しっかりとした肉質と程よい脂で,燗酒ともよく合う。

燗酒おかわりとして,「天の戸 美稲 美山錦 特別純米」をぬる燗でもらう。この日は浅舞酒造で通す。

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魚介の昆布締め

 少し物足りなかったので,昆布締めを追加し,燗酒のお供とする。

昆布の旨味を吸った蛍烏賊,牡蠣,甘海老,びんちょう鮪となると,酒に合わないわけがない。

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ポットスチルShibata

「粋場」を出たワタクシだが,体が冷えていたのでいったんホテルに戻り温泉で体を温めた。

真夏とは思えない行動だが,まだまだ呑みたかったので,いったん小休止である。

 

横手で予約を取れない店として「粋場」と人気を二分する「とぶ」に寄ってみると,店内大混雑で,この日は予約で一杯だという。

ではでは,と隣の「ポットスチルShibata」へ入る。もともと最後はここと決めていたオーセンティックバーだ。

 

ジントニック,スイカウォッカトニックと呑み,まだ30代前半だというオーナーバーテンダー柴田氏と世間話をする。

柴田氏は,先代から店を引き継ぎ,ワタクシてオーナーを務めているとのことで,3月に足を運んだ横手駅近くの「絆BAR」は兄弟子とのことであった。

 

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やっぱり小腹が空いていた

塩豚のマスタード添えを食べつつ,オールドパーウイスキーソーダ

カクテルも美味しいが,フードもなかなかに良い。

柴田氏の軽妙な会話を楽しみながら,先客のいないバーでオーセンティックバーの醍醐味を味わう。

 

〆の一杯は,最近好きなグラスホッパー

こちらも隙のない完成した一杯で,満足しながら店を後にした。

 

本当に,訪れるたびに横手が好きになる。

初夏の東京にて江戸三大酒場「鍵屋」「シンスケ」で酒場の底力に触れる旅(3) 2019年7月5日(金)-6日(土)

翌朝76日の土曜日。浅草橋の「東横イン」で目覚めた。

前の晩は上野駅付近でうにさんと別れ,けんじさんと二人で浅草橋まで電車で戻ってきた。

浅草橋駅のすぐ近くでけんじさんとは別れたが,おそらくけんじさんはもう一軒ぐらい呑みに行ったのではないかと想像してみた。

 

カーテンを開けてみると,目に見える限りは雨が降っているようではないが,決して好天と言える天気でもないようだった。

コンビニで買っておいたミネラルウォーターを飲み,シャワーを浴びてから部屋を出た。

 

この日は昼にけんじさんと蕎麦酒をする予定としていたので,その前に引き続き下町をぶらぶらしたいと考えていた。

特にも,高架下や駅へ付帯させた商業施設が上野・神田・秋葉原付近にはいくつかあるので,この一泊二日の旅程の中で見ておきたかったということもある。

 

お目当のひとつめは,上野の「2k540 AKI-OKA ARTISAN」は,秋葉原御徒町間の高架橋にあるクラフトショップが集積する施設で,東京のものづくりを発信するスポットとして注目を集めている。

もう一箇所,「マーチエキュート神田万世橋」は,中央線神田~御茶ノ水間にあった万世橋駅をリノベーションした周辺エリアの活性化を目指す役割を担っているという。

 

と,少し格好つけて昨今の東京下町の新たな動きを見つつ,今回の旅の〆となる蕎麦を楽しもうと考えていた。で,まずは「鍵屋」の御主人に教えてもらったとおり入谷の朝顔市を目指す。

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多くの人でごった返す

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入谷鬼子母神

鶯谷駅まで電車で移動し,少し歩くと言間通り(ことといどおり)沿いに「入谷朝顔市」が催されている。

想像していた以上に人が多く,のんびり朝顔を見て歩くといった感じではない。まあ,歩道に朝顔を並べて,それを訪れた人々が品定めしながら購入する具合なので,狭い上に人の流れも良くはないから,そうなるのも仕方ないだろう。

 

にしても,次々と周りの人々は朝顔を買い求めていく。そして,お目当の朝顔を買った人々は,その朝顔を手に歩いて帰っていく。

そんな光景を見慣れぬ自分からすると,それ自体がとても風情あることに感じられた。

江戸の人々が季節の移り変わりを大切にしている文化が,こういった景観・光景を生み出しているのである。

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秋葉原の高架下2k540

さて,人混みを抜け出し,歩いて「2k540」へ。http://www.jrtk.jp/2k540/

まだ早い時間で,店はどこも開いていなかったので,薄暗い店内を眺めるだけして通り過ぎた。

けれど,それぞれ5,6坪程度のクラフトショップがこんな風に集積しているとは,なんとも素敵な空間ではないか。次回はゆっくりと見て回りたい。

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川沿いのデッキスペースが心地良い

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赤レンガが映える外観

 次に目指すは「マーチエキュート神田万世橋」。https://www.ecute.jp/maach

こちらでは,「常陸野ブルーイング・ラボ」に足を運び,「常陸野ネストビール」を味わうこととした。

 

エスプレッソスタウト(750円)」のレギュラーと「イワシの和風オイルサーディン(580円)」を注文し,神田川の側のデッキ席でゆっくり味わう。

空は梅雨空なれど,風は穏やかで湿気をあまり感じず,スタウトがじんわり身体中に染み渡り一気にいい気分。

国産イワシをじっくりオイルで煮込んだオイルサーディンは,醤油とレモンの加減が絶妙でとても美味しい。

 

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デッキ席というだけで豊かな気持ちになれる

20分ほどのんびり過ごし,けんじさんとの待ち合わせ場所「神田まつや」を目指した。

 ◻︎

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焼鳥の照りが見事

「神田まつや」は満席であったが,うまい具合に数分待っただけで席に通されたわれわれ。

まずは瓶ビール大瓶(750円)で乾杯し,蕎麦味噌・わさびかまぼこ(650円)・焼鳥(800円)・にしん棒煮(800円)・焼のり(450円)をつまみとする。

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潔さを感じさせるかまぼこ

「店内に,東郷平八郎の書があったりするんですよ」とけんじさん。

角度的によく見えないが,たしかに書画が飾ってある。

 

「このあたり一帯は空襲で焼けなかったんで,古い建物が残ってます。もちろん内装とかは新しくしてますけど」と続け,いろいろ教えてもらう。

なるほど,確かに柱や梁や黒光りして,それなりの年月を感じさせる。

 

店内からは職人が蕎麦を打っているのが見え,「とん,とん,とん」と小気味良い蕎麦を切る音が聞こえてくる。

打ち立て,切り立て,茹で立ての蕎麦を味わえるということだ。

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味わい深いにしん棒煮

しかし,ここで東郷平八郎の存在を感じるとは思わなかった。薩摩藩士の日露戦争連合艦隊司令長官

南部盛岡藩出身の企業家・三田義正は,日露戦争の折に火薬商として財をなし,「死の商人」とも言われてきたことを思い出した。しかし三田ら一族は,その財を使い,盛岡の市街地を民間主導開発で発展させ,学校や病院を私財を投じて建て,盛岡の近代化に多大な貢献をしてきた人物だとワタクシ自身は信じている。

 

日本海海戦におけるバルチック艦隊の撃破は東郷平八郎の武勲として知られるが,この時の砲撃戦には三田の火薬も含まれていたのだろうと想像するに,どこか熱い思いが湧いてくる。

 

・・・と話が横道に逸れたが,そんな歴史を持つ「神田まつや」の肴をつまみつつ,けんじさんとぐいぐい呑む。

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焼きのりは香り高い

「けんじさん,昨晩はあのあと呑みにいったんすか?」

「ええ,実はもう一軒。。。」

「わははは,やっぱり」

「なもんで,朝起きれずに朝顔市は断念しました。。。」

「午前中に行くって言ってた神保町の古書漁りはできたんですか?」

「いや,それもできませんで,よろしかったら蕎麦のあとどうですか?」

「おお,いいですねー,楽しそう」

 

などと話しつつ,ビールから燗酒「菊正宗(700円)」を二合もらう。

 

「この蕎麦味噌,よくないですか?」

「いや,旨いす。甘みもいいし,蕎麦味噌の食感もたまらんです」

600円でお土産も買えますんで」

「お,では,買い求めることにしましょう」

 

蕎麦味噌も良いが,かまぼこもにしん棒煮もいい。

相席で,二人並ぶ形でテーブル席で燗酒をちびちび楽しみながら,徐々に酔っていく。

 

甘くジューシーな焼鳥もとても良く,ほんのり甘い「菊正宗」に合う。

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喉越し抜群の蕎麦

〆にもりそば(650円)をそれぞれ注文し,一心不乱に手繰って,蕎麦湯をいただいたら蕎麦呑み終了。

いい気分になって店を後にした。

 

 ◻︎

 

神保町の古本屋巡りは楽しかった。

「酒と料理の古本に関しては随一です」という古本店は,何時間いても飽きないであろう品揃えで,そしてどれもこれも欲しくなるから困ってしまう。

 

これだから,古本屋にはあまり近づきたくない(笑)

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希少部位ソリレス

そんなこんなで,神保町のあたりでけんじさんと別れ,ワタクシは一人東京駅へ向かった。お土産やらなにやらを買い求め,少し時間があったので,北町ダイニングにある「本家 あべや」にて,「新政 No.6 S-Type」を呑みつつ比内地鶏のソリレスをいただく。

 

新幹線に乗り込み,ちょっと呑み足りないので,ハイボールを一本空け,iPadで映画を観つつ盛岡を目指したが,いつしか寝落ちしていた。

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「わしゅ」にて

盛岡に到着したのが夕方6時近く。

すっかり酔いが醒めたので,旅の仲間の一人照井さんの店「わしゅ」の暖簾をくぐり,日本酒を呑みつつマンボウの酢味噌乗せをいただく。

 

「東京はどうでした?」と照井さんに訊かれたワタクシは,「も,最高でしたね」とにんまり笑ってみせ,盛岡で一番旨い燗酒をぐいっと呑ってみせた。

初夏の東京にて江戸三大酒場「鍵屋」「シンスケ」で酒場の底力に触れる旅(2) 2019年7月5日(金)-6日(土)

さて,二軒目「シンスケ」。湯島は不忍池からほど近くにあり,けんじさんが二階席を予約していた。

というか,予約は二階のみで,カウンター席を含む一階は飛び込み客のみという決まりがあるらしい。

 

まあ,酒場好きとしては一階カウンター席が良いわけだが,ボーナスが出たばかりの東京の金曜の夜,予約なしでの飛び込みは入店できないリスクが高い。

 

一軒目「鍵屋」はとても良かった。本当に素晴らしい酒場に出会えたと思う。

それは,うにさん,けんじさんも同じだったと思うし,そんな喜びからくる高揚感に包まれながら,根岸から湯島まで時折落ちてくる小さな雨粒を受けて歩いた。

 

「鍵屋」の肴は渋さと安定感と江戸の粋が感じられ,毎週でも通いたくなる魅力を持っていた。そして,「シンスケ」も江戸の酒場らしい肴を供すると定評の店であり,ワタクシは胸躍らせながら暖簾をくぐった。

 

二階テーブル席に通されたわれわれは,まずは各々ビールでスタート。

ワタクシは「ギネス スタウト」をもらい,御通しの胡麻豆腐をiPhoneでパシャリと写真を一枚。と,撮影したところで店員さんから「お写真は御遠慮ください」と注意を受ける。

 

「あ,すみません」と撮影を止めると,けんじさんから「そうなんですよ,ここは」と教えてもらう。

 

ではでは,と気を取り直し肴を注文することに。

「ま,こちらの定番を頼みつつ,あとは喰いたいのいきましょう」とけんじさんが

「シンスケ風したし豆(600円)」「鶏手羽さっぱり煮(800円)」「きつねラクレット1000円)」「いわし岩石揚げ(1000円)」「こはだ(1000円)」と一気に注文する(画像は一切ないのだが)。

 

うにさんが,「アジフライも食べたいね」というので,では,そちらものちほど注文しましょうということで,とりあえず乾杯する。

 

今回の旅,あえて肴の値段をメモってきた。

これは江戸三大酒場の相場を感覚的にわかっていただければという思いもあるし,それと自身の備忘のこともあってのことだ。

 

さて,二階席はだいぶ賑わっている。

先に来店していた4,5人の団体客5,6組が楽しそうに呑んでおり,基本静かな中で盃を傾ける「鍵屋」とはまた違う賑やかな雰囲気。いや,当然一階席はどうかわからないのだが。

 

先客たちは仕事仲間とかそんな具合だろうが,身なりがきちんとした人々が多く,それなりに社会的な立場にありそうな人もちらほら見かけられる。まあ,いい客がついている酒場なんだろうと勝手に想像する。

 

程なくテーブルに並んだ肴はどれも素晴らしい。

特にもこはだの〆加減とこはだ自体の素材の良さが光っており,間違いなく過去一番のこはだ(画像がないのが残念)。

それと「きつねラクレット」は,油揚げとチーズの絶妙な取り合わせも期待どおりで,さすがの名物料理。油揚げはかりりとした食感で,とろけ出したラクレットのコクと良いコンビネーション。

 

われわれも,素直に肴の旨さに脱帽し,「うまいですねー」「うまいねー」と感心しながら次々いただく。

 

ビールを空けたあとは,この店が古くから付き合いがあるという秋田「両関」の本醸造と純米を一合ずつ燗でもらう。

本醸造は真っ当な辛口,純米はふくよかな甘口で,どちらも良い燗加減で美味しい。

そして,やっぱり写真がないのが残念だが,「両関」「シンスケ」と青字が入った徳利の立ち姿が非常に格好良かった。

「鍵屋」といい「シンスケ」といい,酒器ひとつひとつに品格があって感服するし,これだからこそ名酒場と言われる所以のひとつだろう。

 

この日のオススメから,「ウドと切干大根のゴマ和え」「塩納豆と白いかの薬味仕立て」を追加注文する。

 

「ウドと切干し大根のゴマ和え」は,これもまた絶品。主張は強くないが,ウドの風味と切干大根の甘み・食感がゴマとぴたりと合い,絶妙な品の良さを生み出している。

「ほほーー」「これはウマい」「ウマすぎないのが,またウマい」などと言いつつ燗酒をちびちび呑る至福のとき

 

「シンスケ」のラストオーダーは21時ということで,店を後にする時間となってきたが,うにさんが「塩納豆と白いかの薬味仕立て」にソースを誤ってかけてしまうという軽いハプニングはあったが,総じて非常に楽しく過ごす。

 

最後の最後になってから,けんじさんが「うにさん,アジフライ忘れてましたけどラストオーダーどうします?」とうにさんに問いかけると「もう食べれないですよ!」と苦笑いのうにさん。

いやはや,ホントうにさんの言うとおり,「鍵屋」「シンスケ」と名酒場はしごで,けっこう食べたのだった。

 

まあそのあたりは,さすが江戸三大酒場の一つ,肴の質が高いので,満足度の高い満腹感。

ワタクシは,これで昨年訪れていた大塚「江戸一」と合わせ,「鍵屋」「シンスケ」と江戸三大酒場をすべて訪れたことになるが,どこも非常に満足度が高かった。

 

敷居の高さで言えば,江戸一>鍵屋>シンスケのように思えるし,リーピート度で言えば鍵屋>シンスケ>江戸一と思える。肴のバラエティさとなると,シンスケ>江戸一>鍵屋といったところになろうか。

まあ,それぞれ一度ずつしか足を運んでいない自分が言うのもなんだが,どこの酒場も個性があり,安易に比較できるものではないことは言うまでもない。

 

店の外に出ると,雨が降り出しそうだった。

満腹だったし,燗酒でそれなりに酔っていた。

 

 ◻︎

 

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上野ソルロンタンは24時間営業

湯島から少し歩き,上野にある「上野ソルロンタン」を訪れた。けんじさんイチオシのソルロンタンの店だと言う。

けんじさん曰く,ソルロンタンは韓国のもっとも伝統的な料理であり,肉のスープだという。

漢字では「雪濃湯」などとも表し,白濁濃厚な牛の骨・肉・内臓からとったスープに刻みネギと煮た牛肉のスライスが入っている。味付けはされておらず,おのおの塩・胡椒・キムチや唐辛子などの辛味で味を調えるらしい。

満腹であったが,せっかくだからディープ韓国メシで〆ることにしていた。

 

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真っ白美しいソルロンタン

 画像からはわからないが,おそらくカルビであろう茹で肉が沈んでいて,これはこれで柔らかくてとても美味しかった。

ワタクシはけんじさんから教えられたとおり,塩やら胡椒やらで味を調えてスープをすすってみると,意外とあっさりだがきちんと奥深いコクがあり,そしてやはり肉の匂いが漂い,非常に食欲をそそる一杯となっていた。

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小皿料理が次々と運ばれる

酒はやっぱりマッコリでしょうということで,ボトルマッコリを呑みながら小皿料理をつまみつつソルロンタン

「正直ハラは一杯だけど,こういうのも悪くないねぇ」と思いつつ呑んで喰っていると,うにさんはマッコリの盃を手で塞いだ。「もう注がないで!」のサインと見たワタクシは,ボトルに残ったたっぷりのマッコリをけんじさんの盃にどぼどぼと注いだ。そういえば,うにさんは,翌日車を運転するのだった。

 

けんじさんはマッコリをぐいぐい呑みながら,やはりぐいぐいとソルロンタンを干してみせた。

周りは韓国語が飛び交い,日本で呑んでいるとは思えない雰囲気。再び「こういうのもいいなあ」と思いながら,ワタクシもけんじさんに負けじとマッコリとソルロンタンを呑み干してみせた。

 

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