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旅をする。赴くままに旅をして、通りがかった暖簾をくぐり、カウンター席で酒を呑む。※コロナで旅ができないので、昔の旅についても載せることにしました。

真冬の福島、日本酒呑みつつ鹿児島の名店「たか」を思い出す。2018年2月11日(土)-12日(日)

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鮨で結団式

2月の真冬、イクミツさん、とっしさん、わたしの3名は盛岡駅ビルフェザン地下の「清次郎」の個室にいた。

鮨をつまみつつ、これからの福島旅行に思いを馳せていた。

なお、盛岡市を拠点に旅をする仲間については次のリンクのとおり。イクミツさんは秋田県某市在住で、とっしさん、照井さん、わたしは盛岡在住,そしてそして九州方面へ足を伸ばす際は宮崎の友けんじさんが加わるし、けんじさんは時折盛岡方面へ来てくださることもある。

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恒例の小旅行であり、ここに照井さんが加われば2017年秋に九州へお邪魔した4名が揃うわけだが、照井さんは残念ながら自身の店が忙しく休みを取れなかった。

 

「まあまあ日本酒でも呑もう」と予約しておいた部屋で握りを平らげ、ツマミを追加して本格的に呑む。

はじめてわれわれと旅行したとき、とっしさんは昼から日本酒を呑むことに少し抵抗感を示したが、今ではためらいなくぐいぐい呑っている。

人というのは変わるものだなあ、とイクミツさんとワタクシがその姿を微笑みながら眺めた。

 

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一軒目「燗酒ノ城」

まずは夕方4時に予約していた「燗酒ノ城」へ。こちらは盛岡の某店の店主から紹介してもらった店で、店主の前田さんはかなりヘンタイ的な日本酒好きの方らしい。

つまり、「だいぶ期待できる」ということだ。

 

店は南福島駅近くにあり、福島駅から在来線で一駅離れたところにある。ところがである、電車の時間がうまく合わなかったので歩いて移動しており、乾いた空気に喉がからからだったので、生ビールをいただきまずは喉を潤す。

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すぐに燗酒

燗酒は、まず鳥取は山根酒造「純米しぼりたて生原酒 山眠る」の超ぬる燗。限りなく柔らかな口当たりとフレッシュさが同居し、口の中に快感が広がる。

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肴はおまかせ

「まだ一日しか締まってませんが。。。」と出してくださったのは〆さばと平目昆布締め。時化で水揚げがあまりなく、昨日仕込むことになってしまったという。

酒は「会津娘」「十旭日」と絶妙な温度帯の燗が続く。

 

たしかに締まりが浅いとはいえ、さすがの味わい。われわれも恍惚とし始め、ほわわーーんと酔いに身をまかせる。ちなみに鯖と平目と一緒に供されたのは煎り酒というところが実にニクいのだ。

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小川原専務を偲びつつ

「もうこの一本で終わりです」と出してくださったのが埼玉は蓮田市の「神亀酒造」の9年熟成「楽」。

で、これが衝撃的な旨さ。重層的な味の深み、柔らかさと品格。熟成させたチーズがよく合い本当に盃がすいすいと進む。

こちらの蔵のカリスマ小川原専務は2017年4月に他界されており、多くの関係者を悲しませた。

店主・前田さんも専務とは、生前とても親しくしていたということで、この酒を我が子のように大事に燗につけてくださった。そんな思いが伝わり、いっそうのこと旨かった。

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出されるすべてが美味しい

酒も肴もすべてお任せ。写真のなめろうも絶品。その名のとおり、皿まで舐め尽くしてしまいたくなる。

このあと「よえもん」「奥鹿」「旭若松」と燗を楽しませてもらう。酒と肴の絶妙な調和にすっかり身を委ねる。

まさにまさに福島の名店というに相応しい店。そして、地元大学生にも日本酒の奥深さを知ってもらいたいということで、彼らが足を運びやすい取組をも進めているところも素晴らしい。

 

それはいわゆる「学割セット」なのであるが、それがきちんと美味しい燗酒と酒肴のリーズナブルなセットとなっているのだ。

正直こういうのが大学の近所にあるのは羨ましいなあと思いつつ、今後の前田さんの健闘を祈り再訪を誓った。

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素晴らしき酒場がここにもあった

「燗酒ノ城」前田さんに教わった、というか電話してもらった「ぼのぼの」という家庭料理の店に来た。

繁華街にあるのだがgoogle mapを頼りに付近を歩いてもなかなか見つけられず、まさに隠れ家。あとから訊くと、店主であるお母さん曰く「昔は道路に面したこのビルの1階で営業してたけど、あんまり忙しいからここ(2階のすごくわかりづらい場所)に移った」とのこと。

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家庭料理が嬉しい

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塩鮭

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卵味噌大根

油揚げもお手製でふかふかジューシー。烏賊塩辛と一緒に再び日本酒。

こちらの独特のシステムは、自分で冷蔵庫から一升瓶を取り出し徳利に注いで、手元の数取り機でカチカチカウントして会計時に「xx杯です」と自己申告するスタイル。

 

というか、6名ほどしかカウンター席に座れない激狭店であり、酒の冷蔵庫が客席の背後にあるから自分で取らざるを得ないことになっている。なにしろ、狭い店内でお母さん一人が働いており、店員というものはいない店でもあるし。

 

で、われわれも常連さんに混じって日本酒をくいくい呑りながら美味しい家庭料理を楽しむ。

料理はほかに、身欠きニシン、馬刺しなども食べ、酒は「開運」「飛露喜」などなどをかなり呑んだ。「燗酒ノ城」で相当呑んだはずだが、本当に相当呑んだ。銘柄を思い出せないほど酩酊した。

 

驚くほどのディープゾーンにあると同時にものすごく居心地が良く、お母さんもお年を召しているがエネルギッシュに一人で店を切り盛りし、それを常連客が盛り立てているところなどを目にすると、けんじさんに連れて行ってもらった鹿児島の名店「たか」を思い出した。

狭い座敷で片寄せ合いながら焼酎湯割りを呑みつつ、みんなでつついてお代わりしたおでんが懐かしい。

 

激狭名店は、東の「ぼのぼの」、西の「たか」で決まりだ、と勝手に決めつけた。

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福島は円盤餃子のまち

福島は円盤餃子のまちということらしいので「餃子の丸福」でビールと餃子を注文したが、餃子は普通の焼き方で円盤ではなかった。

とても美味しい餃子だったが、わたしは「ぼのぼの」の家庭料理で満腹だったので、イクミツさんととっしさんにお任せして、ビールをずずずっとすすっていた。

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グランクラスの軽食

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バーボンまで呑める

翌日、福島からの帰りは豪華にグランクラスとした。あえて各駅停車でのんびり豪華車内を楽しみ、呑んで食べての「人間を堕落させる空間」を思いっきり楽しんだ。

軽食が出て酒の肴が出て、スパークリングワインやらバーボンソーダやらをご機嫌でいただく。

 

さてさて、今回の福島旅行も実に面白かった。そして、宮崎の友けんじさんも2歳までは福島にいらしたということなので、いつか“ルーツ”としてけんじさんと一緒に福島を呑み歩いてみたいものだとわれわれは思った。

 

「まだまだ盛岡に着くなよーーー」と念じながら、しつこくお代わりの酒をアテンダントにオーダーするわれわれだった。

 

<おわり>