tabi-ki47

旅をする。赴くままに旅をして、通りがかった暖簾をくぐり、カウンター席で酒を呑む。※コロナで旅ができないので、昔の旅についても載せることにしました。

初夏の東京にて江戸三大酒場「鍵屋」「シンスケ」で酒場の底力に触れる旅(2) 2019年7月5日(金)-6日(土)

さて,二軒目「シンスケ」。湯島は不忍池からほど近くにあり,けんじさんが二階席を予約していた。

というか,予約は二階のみで,カウンター席を含む一階は飛び込み客のみという決まりがあるらしい。

 

まあ,酒場好きとしては一階カウンター席が良いわけだが,ボーナスが出たばかりの東京の金曜の夜,予約なしでの飛び込みは入店できないリスクが高い。

 

一軒目「鍵屋」はとても良かった。本当に素晴らしい酒場に出会えたと思う。

それは,うにさん,けんじさんも同じだったと思うし,そんな喜びからくる高揚感に包まれながら,根岸から湯島まで時折落ちてくる小さな雨粒を受けて歩いた。

 

「鍵屋」の肴は渋さと安定感と江戸の粋が感じられ,毎週でも通いたくなる魅力を持っていた。そして,「シンスケ」も江戸の酒場らしい肴を供すると定評の店であり,ワタクシは胸躍らせながら暖簾をくぐった。

 

二階テーブル席に通されたわれわれは,まずは各々ビールでスタート。

ワタクシは「ギネス スタウト」をもらい,御通しの胡麻豆腐をiPhoneでパシャリと写真を一枚。と,撮影したところで店員さんから「お写真は御遠慮ください」と注意を受ける。

 

「あ,すみません」と撮影を止めると,けんじさんから「そうなんですよ,ここは」と教えてもらう。

 

ではでは,と気を取り直し肴を注文することに。

「ま,こちらの定番を頼みつつ,あとは喰いたいのいきましょう」とけんじさんが

「シンスケ風したし豆(600円)」「鶏手羽さっぱり煮(800円)」「きつねラクレット1000円)」「いわし岩石揚げ(1000円)」「こはだ(1000円)」と一気に注文する(画像は一切ないのだが)。

 

うにさんが,「アジフライも食べたいね」というので,では,そちらものちほど注文しましょうということで,とりあえず乾杯する。

 

今回の旅,あえて肴の値段をメモってきた。

これは江戸三大酒場の相場を感覚的にわかっていただければという思いもあるし,それと自身の備忘のこともあってのことだ。

 

さて,二階席はだいぶ賑わっている。

先に来店していた4,5人の団体客5,6組が楽しそうに呑んでおり,基本静かな中で盃を傾ける「鍵屋」とはまた違う賑やかな雰囲気。いや,当然一階席はどうかわからないのだが。

 

先客たちは仕事仲間とかそんな具合だろうが,身なりがきちんとした人々が多く,それなりに社会的な立場にありそうな人もちらほら見かけられる。まあ,いい客がついている酒場なんだろうと勝手に想像する。

 

程なくテーブルに並んだ肴はどれも素晴らしい。

特にもこはだの〆加減とこはだ自体の素材の良さが光っており,間違いなく過去一番のこはだ(画像がないのが残念)。

それと「きつねラクレット」は,油揚げとチーズの絶妙な取り合わせも期待どおりで,さすがの名物料理。油揚げはかりりとした食感で,とろけ出したラクレットのコクと良いコンビネーション。

 

われわれも,素直に肴の旨さに脱帽し,「うまいですねー」「うまいねー」と感心しながら次々いただく。

 

ビールを空けたあとは,この店が古くから付き合いがあるという秋田「両関」の本醸造と純米を一合ずつ燗でもらう。

本醸造は真っ当な辛口,純米はふくよかな甘口で,どちらも良い燗加減で美味しい。

そして,やっぱり写真がないのが残念だが,「両関」「シンスケ」と青字が入った徳利の立ち姿が非常に格好良かった。

「鍵屋」といい「シンスケ」といい,酒器ひとつひとつに品格があって感服するし,これだからこそ名酒場と言われる所以のひとつだろう。

 

この日のオススメから,「ウドと切干大根のゴマ和え」「塩納豆と白いかの薬味仕立て」を追加注文する。

 

「ウドと切干し大根のゴマ和え」は,これもまた絶品。主張は強くないが,ウドの風味と切干大根の甘み・食感がゴマとぴたりと合い,絶妙な品の良さを生み出している。

「ほほーー」「これはウマい」「ウマすぎないのが,またウマい」などと言いつつ燗酒をちびちび呑る至福のとき

 

「シンスケ」のラストオーダーは21時ということで,店を後にする時間となってきたが,うにさんが「塩納豆と白いかの薬味仕立て」にソースを誤ってかけてしまうという軽いハプニングはあったが,総じて非常に楽しく過ごす。

 

最後の最後になってから,けんじさんが「うにさん,アジフライ忘れてましたけどラストオーダーどうします?」とうにさんに問いかけると「もう食べれないですよ!」と苦笑いのうにさん。

いやはや,ホントうにさんの言うとおり,「鍵屋」「シンスケ」と名酒場はしごで,けっこう食べたのだった。

 

まあそのあたりは,さすが江戸三大酒場の一つ,肴の質が高いので,満足度の高い満腹感。

ワタクシは,これで昨年訪れていた大塚「江戸一」と合わせ,「鍵屋」「シンスケ」と江戸三大酒場をすべて訪れたことになるが,どこも非常に満足度が高かった。

 

敷居の高さで言えば,江戸一>鍵屋>シンスケのように思えるし,リーピート度で言えば鍵屋>シンスケ>江戸一と思える。肴のバラエティさとなると,シンスケ>江戸一>鍵屋といったところになろうか。

まあ,それぞれ一度ずつしか足を運んでいない自分が言うのもなんだが,どこの酒場も個性があり,安易に比較できるものではないことは言うまでもない。

 

店の外に出ると,雨が降り出しそうだった。

満腹だったし,燗酒でそれなりに酔っていた。

 

 ◻︎

 

f:id:yu-sa1011:20190709080302j:plain

上野ソルロンタンは24時間営業

湯島から少し歩き,上野にある「上野ソルロンタン」を訪れた。けんじさんイチオシのソルロンタンの店だと言う。

けんじさん曰く,ソルロンタンは韓国のもっとも伝統的な料理であり,肉のスープだという。

漢字では「雪濃湯」などとも表し,白濁濃厚な牛の骨・肉・内臓からとったスープに刻みネギと煮た牛肉のスライスが入っている。味付けはされておらず,おのおの塩・胡椒・キムチや唐辛子などの辛味で味を調えるらしい。

満腹であったが,せっかくだからディープ韓国メシで〆ることにしていた。

 

f:id:yu-sa1011:20190709080820j:plain

真っ白美しいソルロンタン

 画像からはわからないが,おそらくカルビであろう茹で肉が沈んでいて,これはこれで柔らかくてとても美味しかった。

ワタクシはけんじさんから教えられたとおり,塩やら胡椒やらで味を調えてスープをすすってみると,意外とあっさりだがきちんと奥深いコクがあり,そしてやはり肉の匂いが漂い,非常に食欲をそそる一杯となっていた。

f:id:yu-sa1011:20190709081225j:plain

小皿料理が次々と運ばれる

酒はやっぱりマッコリでしょうということで,ボトルマッコリを呑みながら小皿料理をつまみつつソルロンタン

「正直ハラは一杯だけど,こういうのも悪くないねぇ」と思いつつ呑んで喰っていると,うにさんはマッコリの盃を手で塞いだ。「もう注がないで!」のサインと見たワタクシは,ボトルに残ったたっぷりのマッコリをけんじさんの盃にどぼどぼと注いだ。そういえば,うにさんは,翌日車を運転するのだった。

 

けんじさんはマッコリをぐいぐい呑みながら,やはりぐいぐいとソルロンタンを干してみせた。

周りは韓国語が飛び交い,日本で呑んでいるとは思えない雰囲気。再び「こういうのもいいなあ」と思いながら,ワタクシもけんじさんに負けじとマッコリとソルロンタンを呑み干してみせた。

 

<next>

tabi-ki.hatenablog.com