tabi-ki47

旅をする。赴くままに旅をして、通りがかった暖簾をくぐり、カウンター席で酒を呑む。※コロナで旅ができないので、昔の旅についても載せることにしました。

呑み記017「駅前昭和歌謡酒場で煮込みと熱燗を」

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ど迫力の煮込み

年度末。仕事もようやく道筋が見えてきて,なんとか新しい年度を迎えられそうな雰囲気になっていた。

気持ちにもゆとりが出てきて,天気もいいのでふらり2時間ほど街中を散歩する。

 

ちょっと喉が渇いたのと小腹が空いたので,木伏緑地にある「モツレ」という大衆酒場の暖簾をくぐると,先客が大ジョッキで生ビールを酌み交わしていた。

 

「小生で」

「はい」

 

おしぼりを受け取りながら,「サッポロ黒ラベル」のグラス生ビールを注文した。

この店,お通しはないので,一品目から好きなものを注文できる。

 

「お待たせしました,小生です」

 

すぐに目の前に出された小生ビールは,きめ細かい泡がグラスのふちから少し流れ出しており,それがまたビール欲をそそり,思わず喉がごくりと鳴る。

 

それにしても3月も末にならんとし,ようやく暖かさを感じられるようになってきた。

外を歩く人々の服装も春のそれになってきて,相変わらずマスクはしているが,誰しも訪れつつある春に喜びを覚えているように見える。

 

さて,5分ほど悩んだ末に「煮込み650円」を注文した。

牛すじ,豆腐,煮卵が豪快に盛り付けられた,真っ黒な煮汁が印象的なひと品。

 

生ビールを呑み干し「龍泉八重桜」を熱燗で一合もらう。

 

ぷはあ。

昼過ぎから呑む熱燗の染み入ることよ。

 

熱燗をちびちび呑りながら,とろとろの牛すじ,味の染みたふわふわ豆腐,ぎゅっと味が凝縮した煮卵をやはりちびちびつまむ。

 

味は濃すぎず薄すぎず。

練り辛子と七味を使ってアクセントを加えながら,熱燗と煮込みをのんびりゆっくりと。

 

いい休日。

酒場の有線は,昭和歌謡曲が流れている。

いい雰囲気,いい気持ち。