tabi-ki47

旅をする。赴くままに旅をして、通りがかった暖簾をくぐり、カウンター席で酒を呑む。※コロナで旅ができないので、昔の旅についても載せることにしました。

呑み記018「旅館酒場で美味し酒と肴を」

f:id:yu-sa1011:20210329062803j:plain

基本のお膳

旅館併設の酒場「熊ヶ井旅館食堂」へ。旅館自体は古いが,酒場を始めたのは15年ほど前のことか。

日替わりの基本のお膳は,小鉢が5〜6品供され,それだけでも日本酒が二合三合と呑めてしまうだろう。

 

この日は久々の職場の仲間との呑み会。

大人数での会食はできないので,4名で酒場を訪れる。4名のうち一人がこの春で退職するので,静かに呑みつつ労う。

 

野菜がふんだんに使われた小鉢類はどれも優しい味わいで,和食の基本とはこういうものだと思わされると同時に,ちょっとしたアレンジも加えられていて食べていて楽しい。

 

蕗の薹(ふきのとう),そう,北国では「ばっけ」と呼ばれる春の食材を使った一品「ばっけ味噌」も上品に鰹出汁が香り,家ではあまり口にできない味わい。

地元盛岡の「七福神 純米」を冷酒でもらい,ちびちび呑りながらつまむと春の香りが口中に広がる。

 

生ビール,日本酒二合と進めたところで立派な鰤照り焼きが出される。

紫波の酒「堀の井 純米」をぬる燗でもらい,分厚い身を箸で端からつまんでいただく。

脂乗りが程よく,くどさがなくて大ぶりの切り身だがまったく飽きずに食べ進められる。

 

酔ってきて,退職する人が昔話,失敗話などを話してくれて盛り上がる。

アクリル板で仕切られたテーブル越しの会話が,今でこそ当たり前だが,一年前二年前にはまったく考えられなかった光景だ。

 

贈り物を渡し,一時間半ほど呑んで解散。

長時間の会食もできないご時世。

 

まあ,送別会も歓迎会もできない職場もあるだろうから,こうして短い時間に小ぢんまりと宴をできるだけでいい方なんだろう。

 

「いや,退職する前にここで呑みたかったから今日は本当に嬉しかった,楽しかった。本当にありがとう」

 

そういって退職する人は,盛岡駅の方へ歩いて去って行った。