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旅をする。赴くままに旅をして、通りがかった暖簾をくぐり、カウンター席で酒を呑む。※コロナで旅ができないので、昔の旅についても載せることにしました。

春待つ弘前。まん防だったまちだけど,人情厚く,酒も肴も絶品だった。(2) 2022年3月11日(金)-3月13日(日)

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弘前一軒目「喜桜」

「デギュスタ」からほど近い「喜桜(きざくら)」がこの日の夕食の店。あらかじめネット予約していたので安心である。「デキュスタ」でも,「喜桜さんは,連日お客さんでいっぱいですよ」と聞かされていたことだし。

店は二階にあり,通りに面した階段を上り店内へ入った。

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三平汁

奥のゆったりとしたスペースの座敷に通され,生ビールを注文する。

「お通しです」と出されたのは三平汁。一般的に北海道の郷土料理であるが,海を挟んでお隣同士の北海道と青森ということもあり,青森県内でも「青森の郷土料理」と捉える地域もあるようである。

 

冬の根菜類と塩漬けの魚を汁物にしたものであるが,こちらの一杯はなんとも上品。大根,人参,じゃが芋,長葱,そして塩鮭。体が温まる。じんわり美味しい。

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おまかせ喜桜セット

メニューから津軽の郷土料理が食べられそうな「おまかせ喜桜セット1500円」をわたしと妻が選び,ムスメは同じく1500円の「喜桜おばんざいセット」を注文した。

 

「おまかせセット」は,日替わりおばんざい三品,焼き魚または煮魚,そして刺し盛りとなっている。

大鰐温泉もやしの小和え,ふきみがき,きのこ南蛮がおばんざい三品。「おばんざいセット」は,その三品にあんこう供和え,サメなますを加えた五品であった。

 

大鰐温泉もやしは初めて食べたが,しゃきしゃきして実に小気味良い食感。とても酒の肴にいいものだ。

生ビールを早々に呑み干し日本酒にチェンジ。「豊盃」「田酒」といった青森の地酒をいただく。

 

刺身は,本鮪中トロ,ホウボウ,マゾイ,海峡サーモン。流石の人気店であり,魚介のレベルも高い。

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「おまかせセット」の焼魚

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いがメンチ

おばんざい三品と刺身,そして焼魚の焼き鯖をいただいたのち,弘前ソウルフードであり代表的家庭料理「いがメンチ」を注文する。

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家庭によってレシピや材料は異なるのだろうが,烏賊下足を叩いて野菜と一緒に揚げたものというのが一般的な認識であり,こちらのそれは,弘前が誇るとうもろこし「嶽きみ」が入っている。

岩木山の標高400〜500mのところにある嶽(だけ)高原で栽培・収穫されるブランドとうもろこしで,その糖度は18〜20度と並のフルーツよりも甘いという。

 

さて,その「いがメンチ」は烏賊と野菜の甘みが香ばしさとあいまって,思っていたより存在感のある味わいでとても美味しい。家庭料理といいつつ,ちゃんと居酒屋のメニューに載っているということは,観光客だけでなく地元客も普通に注文するのだろう。

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旬の魚のカルパッチョ

ムスメが「魚をもう少し食べたい」というので,魚介を使ったカルパッチョを注文する。本鮪,マゾイ,ホウボウ,イクラと一緒に帆立のヒモと卵も盛り付けられている。

 

一般的に帆立は貝柱を生もしくは火を通して食すが,新鮮な帆立が手に入る東北ではヒモはもちろん卵までも生で食す。

ムスメは帆立の鮮度が落ちてきてとろりとした甘みをまとうのを苦手とするが(これが美味しいという人もいる),こちらで食べる帆立には,「うわっ,なにコレ,食感がすごい」と貝柱と卵の鮮度に驚いている。

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烏賊塩辛

津軽の漬物と烏賊塩辛をさらに追加注文。なんとなく,もっと郷土料理らしい,少し荒さのある肴が欲しくなった。

で,酒はせっかく「東日流外三郡史」に関連する本を買ったので,鯵ヶ沢町は尾崎酒造の「安東水軍」を呑むことに。「安東水軍」そのものは,中世の時代に十三湊に拠点を構え,交易によって反映したという一族とされるが,これもまた実在したかどうかの真偽は不明となっている。

 

肝心の烏賊塩辛と酒の味わいはというと,烏賊塩辛はねっとり濃厚で塩気が強く,すっきりとした辛口の「安東水軍」と抜群に合う。明らかに酒と合わせるために味付けされた烏賊塩辛は,少し強めの塩加減が絶妙で,軽く喉の渇きを覚えてついつい酒が進んでしまう。そう,こういう荒々しさみたいなのを津軽という地域の郷土料理に求めている。

 

津軽の漬物もやはり少し塩気が強く,酒と合って仕方なかった。北国津軽の本領も,こんなあたりから垣間見えた。

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夜のかくみ小路

20時少し前に「喜桜」を後にする。妻とムスメを先にホテルに帰し,一人で土手町〜鍛治町あたりをそぞろ歩いてみる。

 

「20時過ぎると店やってませんよ」と「デギュスタ」で聞いたとおり,かくみ小路へ戻ってみるが,開いている店はなく,街灯だけが煌々と通りを照らしていた。まん防のまちがゴーストタウンのそれだと聞いてはいたが,本当にそうである。

盛岡もコロナの影響を受けて夜はひと気はないが,少なくともやっている店はそれなりにある。

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ホテル近くにある「鳥ふじ」

ホテル近くにある「鳥ふじ」から焼き鳥が焼けるいい匂いがしたので近づいてみると,テイクアウトだけの営業との貼り紙。残念,店内には入れなかった。名残惜しいが弘前の夜は諦め,コンビニで缶ビールを二本買い求め,ホテルに戻った。

 

いやはや,少しばかり不完全燃焼の弘前所日の夜。

 

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