20度超えの日々が続く北国盛岡。新型コロナウイルス感染者数は高止まり、いや微増傾向にあり、職場の歓迎会も自然消滅していた。
が、それもあまりに寂しいので、係の人間に声をかけて小ぢんまりと歓迎会をすることにした。場所は、菜園にある「ゆ家 石垣別邸」にて。
魚介をリーズナブルに美味しく食べさせてくれる上に、呑み放題でも日本酒もなかなかの銘柄を揃える使い勝手のいい居酒屋だ。
「ヱビス」の生で乾杯すると、今から旬を迎えるホヤがお通しで出された。ぴかぴかで、瑞々しいホヤで、見るからに新鮮そのもの。
一気に生ビールを呑み干し、すぐに日本酒に切り替え「AKABU」をもらう。
店をチョイスしたのは、今年入社6年目になる部下A。一人で飲食店を開拓するのが好きな男子で、宴会の幹事を任せると外すことなく店をセットしてくれる。
で、この日の主役は新たに部下に加わった部下B。彼は社会人15年目で2児の幼子を持つ父親で、見ていると彼も日本酒が好きらしい。ぐいぐいと「AKABU」を呑っている。
頼もしい部下がまた増えたなあ、などと中間管理職のわたしは嬉しくなり、わたしもやっぱり「AKABU」をぐいぐい呑りながら、刺し盛りをいただいた。
しっかりと赤みを残したローストビーフを使ったサラダ。酒の肴が魚介系から肉にシフト。あっさりした肉質で、日本酒にも合いそうだったので「タクシードライバー」に銘柄を替えていただく。
フレッシュでフルーティーな「AKABU」と比べると、「タクシードライバー」はコクとキレのある旨口酒。
どちらも岩手の人気銘柄である。
ホヤ、刺し盛り、ローストビーフときて、鰯丸干しと魚介に戻る。頭から齧り付こうかと思ったが、意外と大きくて骨が硬そうだったので、頭は避けていただく。
丸々と太った鰯から、じゅわりじゅわりと脂が滲んで実に旨い。ローストビーフのあとで正解だったかもしれない。
日本酒は、やはり岩手で「百磐」を。近年めきめきと実力をつけている県南一関の蔵の一本。ほどよいコクと酸味のバランスが流石の一言で、日々の晩酌で呑むなら、今日呑んでいる酒の中では一番かもしれない。
料理はその後、水餃子、〆の一皿としてピザと白身魚フライが出され満腹満足。
後半は日本酒からウイスキー&ソーダに切り替え流しモードで呑み放題フィニッシュ。感染防止のため二次会もなく21時前には解散となった。
咲き始めた夜桜を横目に、歩いて自宅を目指した。